【2025年最新】屋根塗装の相場はいくら？費用の目安と内訳を徹底解説

屋根塗装の見積もりを取ったけど、「これって高いの？安いの？」と感じたことはありませんか？
実は、屋根塗装の相場は屋根の面積・形状・塗料の種類・劣化の度合いなどによって大きく変わるため、一概にいくらとは言いづらいのが現実です。

この記事では、元現場経験者の視点から、2025年最新の屋根塗装費用の相場と内訳を徹底解説します。
適正価格の見極め方から、見積もりチェックポイント、節約のコツまで詳しくお伝えしますので、「見積もりを取る前に読んでおけばよかった…」と後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください。

屋根塗装の相場はどれくらい？【2025年最新版】

屋根塗装の費用相場は、住宅の広さや使用する塗料、屋根の勾配や形状によって大きく変わります。2025年現在の市場傾向を踏まえると、30坪程度の一軒家でおよそ40万〜70万円前後が一般的な目安です。

ただし、この相場は「標準的なスレート屋根」「シリコン塗料」「大きな劣化なし」のケースを想定しています。これに加えて、足場の有無・下地処理の必要性・付帯部（棟板金・雨押え（→用語解説）など）への対応によっても金額が前後します。

相場の目安（30坪住宅の例）

塗料の種類	費用の目安（税込）	耐久年数の目安
ウレタン系	約40万〜55万円	7〜10年程度
シリコン系	約50万〜65万円	10〜13年程度
フッ素系	約60万〜75万円	15〜20年程度
無機・遮熱系	約70万〜90万円	20年〜

※屋根面積約80〜100㎡、足場込み・高圧洗浄・3回塗りの条件下

見積もり金額に幅がある理由

屋根塗装の費用に「これが正解」という絶対的な相場がないのは、家ごとの条件があまりにも異なるためです。

たとえば以下のような条件でも費用は上下します：

• 屋根の形状（寄棟・切妻・片流れ など）
• 勾配（傾斜）の角度が急だと安全対策費が増える
• 屋根の素材（スレート、金属、瓦など）
• 劣化具合（ひび割れ・コケ・サビの有無）
• 付帯部（板金や雨樋など）の処理範囲

そのため、「見積もりを1社だけで判断する」のは非常に危険です。

坪数・屋根面積ごとの費用目安を一覧でチェック

屋根塗装の費用は、坪数（延床面積）ではなく「屋根の面積（㎡）」を基準に計算されます。
とはいえ一般の方にとっては、自宅の屋根面積を正確に把握するのは難しいもの。
そのためここでは、坪数ごとのおおよその屋根面積と塗装費用の目安を一覧で整理しました。

屋根面積のざっくり計算式

延床面積（坪数）×1.6＝屋根面積（㎡）

※屋根の勾配・形状によって変動あり。急勾配や寄棟屋根は1.7〜1.8倍になることも。

坪数別・屋根塗装の費用目安（2025年相場）

坪数	屋根面積目安	シリコン塗料の費用相場（税込）	備考
25坪	約40㎡〜50㎡	35万〜50万円	平屋・片流れなどは面積少なめ
30坪	約50㎡〜60㎡	45万〜60万円	標準的な2階建て住宅
35坪	約60㎡〜70㎡	55万〜70万円	勾配があると費用増加
40坪	約70㎡〜85㎡	65万〜80万円	屋根の形状によって変動大

単価は「㎡あたり5,000〜8,000円」が目安

一般的に、屋根塗装の単価は㎡あたり5,000円〜8,000円程度（足場・下地処理込み）が相場です。
高耐久塗料を使ったり、補修箇所が多い場合は㎡単価が上がる傾向があります。

面積が広いほど「足場代の割合」は相対的に減る

屋根面積が大きくなるほど、足場代の占める比率が下がる＝コスパがやや良くなる傾向があります。
逆に、平屋などの小規模住宅は、塗料代よりも足場費が相対的に割高に感じられることがあります。

屋根塗装費用の内訳とは？見積もりの項目を分解

屋根塗装の見積もりを見て、「合計はわかったけど、内訳がよくわからない…」と感じたことはありませんか？
費用の妥当性を判断するためには、どこにいくらかかっているかを知ることが第一歩です。

この章では、屋根塗装の費用を構成する代表的な項目を詳しく解説していきます。

一般的な費用内訳（30坪住宅の例）

項目名	費用目安（税込）	内容説明
足場設置費	10万〜20万円	安全確保・作業用の仮設足場と飛散防止シート設置
高圧洗浄費	1万5千〜3万円	屋根の汚れやコケ、カビの除去
養生費	1万〜2万円	塗らない部分（窓・外壁など）を保護
下地補修費	1万〜5万円	ひび割れ・サビ止め・縁切りなどの補修作業
材料費（塗料代）	10万〜25万円	使用塗料の種類・量により変動
人件費（施工費）	20万〜30万円	職人の人数×日数によって変動
雑費・管理費	5千〜2万円	諸経費・運搬費・現場管理など

見積書で注目すべきポイント

• 「塗装一式」でまとめられていないか？
• 面積（㎡数）×単価で明記されているか？
• 塗料の種類とグレードが明記されているか？
• 工程ごとの回数（下塗り・中塗り・上塗り）はあるか？

特に注意したいのが、「一式表記」の見積書です。詳細が不明なまま契約してしまうと、後から追加費用が発生する可能性が高くなります。

費用全体の中でいちばん大きいのは「人件費」

塗装工事は“手作業”が中心の職人仕事です。
そのため、塗料代よりも人件費（施工費）の割合が大きくなる傾向があります。
安すぎる業者の場合、「人件費を削っている＝手抜きリスクがある」ことも少なくありません。

塗料の種類でどう変わる？グレード別の価格比較

屋根塗装の費用を大きく左右するのが、塗料の種類（グレード）です。
塗料は種類によって「単価」も「耐久年数」も異なるため、長い目で見たコストパフォーマンスを考えることが重要です。

ここでは代表的な屋根用塗料の種類と、それぞれの価格・耐久性のバランスを比較していきます。

主な塗料の種類と特徴

塗料の種類	耐用年数	㎡単価目安（税込）	特徴
アクリル	5〜7年	1,000〜1,500円	安価だが耐久性が低く最近はほぼ使用されない
ウレタン	7〜10年	1,500〜2,000円	柔軟性あり・コスト重視なら候補になる
シリコン	10〜13年	2,000〜2,800円	バランス型。屋根にも外壁にも広く使われる
ラジカル制御	12〜15年	2,500〜3,000円	紫外線に強く、最近の主流
フッ素	15〜20年	3,000〜4,000円	高耐久で長期的にはコスパが良い
無機・遮熱系	20年〜	3,500〜5,000円	最高グレード。耐候性抜群で遮熱性能もある

※価格は塗料単体の参考単価。施工費や下地処理は別途加算されます。

「安い塗料」は結果的に割高になることも

短期間での再塗装が必要になる安価な塗料（アクリル・ウレタンなど）を選ぶと、5〜7年おきに塗装を繰り返すことになり、長期的にはコストがかさむ可能性があります。

特に屋根は紫外線や雨風の影響を強く受けるため、耐久性の高い塗料を使うことで“1回の工事で済む期間”を延ばすことができるのです。

選び方の目安：こんな人にはこの塗料

• 10年以上住む予定がある → シリコン・ラジカル・フッ素以上がおすすめ
• 築年数が浅く予算を抑えたい → ウレタンでも検討可（ただし耐久性は要確認）
• 2度と塗りたくない・建物を長持ちさせたい → 無機系や遮熱フッ素など高耐久塗料が最適

費用が高くなるケースとその原因とは？

屋根塗装の見積もりを見て「予想より高い…」と驚く方も多いですが、それには明確な理由があります。
この章では、屋根塗装の費用が高くなる具体的なケースと、その背景にある原因を解説します。

1. 屋根の傾斜が急な場合（勾配のある屋根）

急勾配の屋根では、「作業の安全性を確保するための特殊な足場や屋根足場（屋根の上に設置する専用の足場）」が必要になります。
そのぶん、足場費用や人件費が増加し、10万円以上高くなることもあります。

2. 屋根が複雑な形状をしている場合

寄棟屋根・入母屋・段差の多い屋根など、形が複雑だと塗装面積が増える／施工効率が落ちる／養生箇所が増えるため、費用は自然と高くなります。

また、施工スタッフの人数や日数も増えやすいため、見積もりに反映されやすい項目のひとつです。

3. 劣化が激しく、下地補修が多いケース

• ひび割れ・サビ・コケの繁殖
• 旧塗膜の剥がれや浮き
• トタンや金属部の腐食

こうした状態が進んでいると、高圧洗浄だけでは不十分で、補修や下地処理が必要になります。
当然この作業にはコストがかかり、5万〜15万円程度上乗せされることも珍しくありません。

4. 足場代が別途必要なケース

「前回の外壁塗装と屋根塗装を別々にした」などの場合、再度足場の設置が必要になります。
足場は最低でも10万円前後かかるため、分割施工は結果的にコストアップになることがあります。

5. 使用塗料が高グレードな場合

遮熱塗料・無機塗料など、高耐久で高機能な塗料を選ぶと㎡単価が跳ね上がる傾向があります。
ただし耐久年数が長いため、「高くつくが長持ちする」という選択肢としては十分合理的です。

これらのケースに該当するかどうかで、同じ30坪の家でも20万円以上差がつくことも珍しくありません。

もし、外壁塗装の見積もりが高いと感じていましたら「外壁塗装の値段が高すぎると感じたら読むページ｜見積もり再チェック術」でも見積もりについて解説していますので、ぜひご覧ください。

屋根と外壁のセット塗装は本当にお得？

「せっかく足場を組むなら、屋根と外壁を一緒に塗ってしまった方が得なのでは？」と考える方は多いです。
実際、屋根と外壁のセット塗装には“まとめ割”とも言えるコスト削減効果があります。
しかし、必ずしもすべての家庭で正解とは限りません。

この章では、セット塗装のメリット・注意点・おすすめの活用方法を整理して解説します。

セット塗装の主なメリット

1. 足場代が一度で済む

屋根と外壁を別々に塗装する場合、それぞれで足場を設置する必要があり、10万〜20万円が重複してかかってしまいます。

セットで施工すれば、足場代が1回分で済む＝大きな節約ポイントになります。

2. 工期が短縮される

外壁と屋根を同時に行うことで、工程をまとめて効率よく進められるため、工期が短く済みます。
天候リスクや生活の負担を軽減できる点でもメリットがあります。

3. 一括管理で手間が減る

同じ業者が一括で管理してくれるため、連絡・段取り・保証対応が一本化でき、やりとりがスムーズです。

セット塗装の注意点

• 外壁または屋根のどちらかが「まだ塗り替え不要」な状態なら、無理に同時施工すると「寿命を持て余す」可能性あり。
• 塗料のグレードをバランスよく選ばないと、片方だけ先に劣化してトータルで損をするケースも。
• 一括での施工になるため、一時的な支出額が大きくなる（100万〜150万円前後）

セット塗装はこんな方におすすめ

• 築10年以上経過していて、屋根・外壁ともに劣化が見られる
• 足場代を2度払うのがもったいないと感じる
• 引っ越しや大型出費の予定がなく、まとめて施工したい
• 「相見積もり」で比較した結果、一括工事の方が総額的に得だった

次の章では、こうした工事費用を“品質を落とさずに節約する具体的なテクニック”を5つにまとめてご紹介します。

屋根塗装の節約ポイント5選【品質は落とさずコストダウン】

屋根塗装はどうしても数十万円単位の出費になるため、「できるだけ安く済ませたい」というのは当然の気持ちです。
とはいえ、安さだけを追い求めて品質を落としてしまえば、数年後に再塗装が必要になる＝逆に高くつくことにもなりかねません。

そこで、ここでは品質を保ちながら費用を抑えるための現実的な節約術を5つご紹介します。

① 相見積もりは必須！3社以上で比較

1社だけの見積もりでは、価格が高いか安いかの判断ができません。
少なくとも3社以上から見積もりを取り、価格・内容・保証・対応の質を比較することで、適正価格を把握できます。

また、他社の見積もりを参考に価格交渉の材料にもなるため、相見積もりは節約の基本です。

② 工事時期は“閑散期”を狙う

屋根塗装は春・秋が繁忙期（3月〜6月、9月〜11月）であり、この時期は業者も強気の価格設定をする傾向があります。

一方で、真夏（7〜8月）や冬（1〜2月）は予約が取りやすく、割引やサービスが付きやすい閑散期。
時期をずらすだけで5万〜10万円安くなることもあります。

③ 塗料のグレードを目的に合わせて選ぶ

無機・フッ素塗料は耐久性が高いですが、築浅住宅や今後売却予定がある場合は、そこまで高耐久の塗料が必要ないことも。

「あと10年住めばいい」という場合なら、ラジカルやシリコンでも十分コスパが良い選択になるケースもあります。

④ 屋根と外壁を同時に塗装する

前章でも紹介した通り、足場代を1回にまとめるだけで10万〜20万円節約できます。
同時に塗装することで、業者側の工数も削減でき、セット割引が効くことも多いため、一括見積もりで確認してみましょう。

⑤ 地域密着の中小業者を検討する

大手リフォーム会社は中間マージンが発生しやすく、実際の施工は下請け業者というケースも多いです。
一方で、地域密着型の塗装専門店は価格が明確かつ施工管理も一貫しており、コスパが高い傾向があります。

「安く済ませる」よりも、「適正価格で、必要十分な品質を確保する」という意識が、結果的に満足度の高い屋根塗装につながります。

見積もりはここを見る！注意したい3つのチェック項目

屋根塗装の見積もりは、金額の大小だけで判断するのは危険です。
なぜなら、「安いけど手抜きされる」「高いけど中身が不透明」など、内容を見ないまま契約して後悔するケースが非常に多いからです。

この章では、見積書の中で必ずチェックすべき3つの重要ポイントを解説します。

① 塗装面積（㎡）と単価が明記されているか

見積書の中に「屋根塗装 一式 ○○万円」とだけ書かれていたら要注意。
「何㎡に対して、どの塗料を、いくらで塗るのか」が明記されていなければ、相場との比較ができません。

• 屋根面積（㎡）が妥当か
• 単価（㎡あたり○○円）が適正か
• 材料費と人件費が分かれているか

この3点を見て、「何にいくらかかっているのか」を可視化できるかどうかが鍵です。

② 使用する塗料の種類・グレード・メーカー名

「シリコン塗料使用」とだけ書かれていても、実際にはピンからキリまであります。
できれば塗料名（例：日本ペイント・サーモアイSiなど）とメーカー名まで記載されていることが望ましいです。

また、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本ですので、回数も記載があるか確認しましょう。

③ 保証内容・期間が明文化されているか

屋根塗装の工事後、「すぐに剥がれた」「色ムラが出た」といったトラブルもゼロではありません。
そのため、保証の有無・年数・保証範囲（塗膜／雨漏り／色あせなど）が明記されているかどうかは極めて重要です。

口頭だけの説明ではなく、契約書類または見積書に保証内容が書かれているかを必ず確認してください。

しっかりした業者ほど、これらの情報を明確に提示してくれます。
逆に、「安いけど中身が不明」「聞いても曖昧にされる」ような業者は、契約前に見直しをおすすめします。

まとめ｜屋根塗装は相場を知って見積もりで比較するのが基本

屋根塗装は、家の美観を保つだけでなく、雨漏りや劣化から住まい全体を守る大切なメンテナンス工事です。しかしながら、業者によって見積もり額がバラバラだったり、「一式○○万円」という不明瞭な書き方だったりと、素人には判断が難しい場面も多くあります。

そこで大切なのは、まず相場を知ること。
坪数や屋根面積に応じた価格帯や、塗料のグレードによる違いを事前に理解しておくことで、「見積もりが妥当なのかどうか」を見極める目が養われます。

また、相場感を持ったうえで、必ず複数の業者から相見積もりを取り、内容・費用・保証を比較すること。価格だけでなく、「塗装面積や単価の明記があるか」「使用塗料が明確か」「保証の範囲が書かれているか」など、細かな項目までしっかり確認することが、失敗しない屋根塗装のカギになります。

そして最後に、コストを抑えたいからといって「安さだけで選ばない」ことも重要です。
極端に安い業者には人件費削減による手抜きや、短寿命の塗料使用といったリスクがつきもの。適正価格で、信頼できる施工をしてくれる業者を見極めることが、長い目で見て一番の節約になるのです。

屋根塗装は高い買い物だからこそ、「知識」と「冷静な判断力」を武器に、納得のいく選択をしていきましょう。