塗料の種類と耐久年数｜シリコン・フッ素・無機の特徴を徹底解説

「塗料ってどれも似たようなものじゃないの？」
実はそう思っていた私も、家の外壁塗装を考え始めてから、その違いに驚かされました。

シリコン、フッ素、無機塗料――名前は聞いたことがあっても、
それぞれの耐久年数・費用・メリット・デメリットをきちんと理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

塗料選びは、家の寿命やメンテナンス費用に直結する重要なポイントです。
この記事では、外壁塗装でよく使われる塗料の種類を比較し、あなたの家に最適な塗料を見極めるための判断基準をわかりやすく解説していきます。

外壁塗装の“塗料選び”が重要な理由とは

外壁塗装を検討するとき、多くの方がまず気にするのは「費用」や「見た目」ではないでしょうか。
たしかに、塗装工事は高額ですし、外観の印象にも直結するため、気になるのは当然です。

しかし、実は塗料の選び方こそが、家の寿命や住まいの快適性に直結する最大のポイントだということをご存じでしょうか？

1. 塗料の違いで「家の耐久性」が大きく変わる

外壁塗装の主な目的は、建物の見た目を美しくすることだけでなく、紫外線や雨風から外壁を守る“保護機能”を持たせることにあります。

この保護機能の「持続力」を左右するのが、まさに塗料の種類と品質です。

たとえば…

• アクリル塗料：安いが5〜7年程度で再塗装が必要
• シリコン塗料：価格と耐久性のバランスが良く、10〜13年程度もつ
• フッ素塗料：高耐久で15年以上の寿命も期待できる
• 無機塗料：価格は高いが20年近く美観を維持するケースも

このように、どの塗料を使うかで、次の塗装時期が5年〜20年まで変わるのです。

2. 適切な塗料を選べば、長期的なコストが安く済む

初期費用だけを見て安い塗料を選ぶと、数年おきに再塗装が必要になります。
一方で、初期投資が多少高くても、耐久性の高い塗料を選べば長持ちして結果的にコストダウンにつながることもあります。

たとえば、20年間で3回塗り替えるアクリル塗料と、1回で済む無機塗料を比較すれば、トータルでは無機塗料の方が安く済むケースも少なくありません。

3. 家の環境や立地によって適した塗料が違う

塗料には、さまざまな機能性があります。たとえば、

• 防汚性：車の通りが多い場所には、排ガスがつきにくい塗料を
• 遮熱性：夏の直射日光が強い立地には、遮熱塗料が効果的
• 防カビ・防藻性：湿気が多い地域や北側の壁におすすめ

このように、立地や建物の状況に応じた塗料選びができてこそ、真に意味のある外壁塗装になります。

4. 手抜き業者は塗料をごまかすことが多い

残念ながら、悪質な業者の中には「見積書に塗料の名前すら書かない」「グレードを下げて勝手に安い塗料を使う」といった手口も存在します。

塗料にこだわることは、信頼できる業者かどうかを見抜く判断材料にもなるのです。

5. 塗料選びは「家を守る資産形成」

外壁塗装は一度施工すれば10〜20年付き合うもの。
つまり、塗料選びは“短期的な消費”ではなく“長期的な資産形成”といえるでしょう。

住まいの価値を守るうえでも、塗料選びを軽視することはできません。

初めての塗装工事を依頼する場合だと「正直どの塗料が良いのかわからない」と迷うと思います。
ですが、複数業者に見積もりを依頼し、性能や価格を比較しながら選ぶことで10年以上経ってもキレイな外観を維持できてるような住宅にランクアップするはずです。

主な塗料の種類と特徴まとめ（アクリル〜無機まで）

外壁塗装で使われる塗料には、大きく分けて5種類あります。
それぞれの塗料には、耐久性・価格・機能性において異なる特徴があります。

ここでは、代表的な5種類の塗料について、簡単に比較してみましょう。

1. アクリル塗料（耐久年数：約5〜7年）

最も安価で発色がよく、DIYなどでも使われることが多い塗料です。
しかし、耐候性が低く、紫外線や雨風によって劣化しやすいため、最近の住宅塗装ではあまり使われません。

特徴：

• 価格が安い
• 発色が鮮やか
• 耐久性が短く、頻繁に塗り替えが必要

2. ウレタン塗料（耐久年数：約7〜10年）

柔軟性があり、細かい部分にも塗りやすいのが特徴。
木部や鉄部などの細かい部位に適しています。
外壁全体に使うケースは減少傾向にあります。

特徴：

• 比較的安価
• 柔軟性があり密着性に優れる
• 紫外線にやや弱く、変色しやすい

3. シリコン塗料（耐久年数：約10〜13年）

現在、最も多く使われている塗料。
コストと性能のバランスが良く、「迷ったらシリコン」という選択肢になることが多いです。

特徴：

• 耐候性が高く、コスパが良い
• カビや汚れに強い
• 種類が豊富で品質にばらつきあり

4. フッ素塗料（耐久年数：約15〜20年）

耐久性が非常に高く、高層ビルなどにも使われる高機能塗料。
価格は高めですが、長期間にわたって美観と保護性能を維持できます。

特徴：

• 汚れがつきにくく、光沢が持続
• メンテナンス回数が減るため長期的にお得
• 初期費用が高い

5. 無機塗料（耐久年数：約20〜25年）

無機物（石やガラス成分）を含み、劣化しにくいのが最大の魅力。
「最高クラスの耐久性」を誇りますが、価格もプレミアムです。

特徴：

• 紫外線や熱に強く、劣化しにくい
• 防カビ・防藻性能も非常に高い
• 高額なため、予算に余裕がある方向き

次のセクションでは、これらの塗料を「耐久年数・費用・コスパ」の3軸で徹底比較していきます。

塗料別の耐久年数・費用・コスパを比較

ここでは、前章で紹介した主要な塗料5種類を「耐久年数」「平米単価」「トータルコスパ」で比較してみましょう。
数ある選択肢の中から、費用対効果に優れた塗料を選ぶヒントが得られます。

【塗料別 比較表（目安）】

塗料の種類	耐久年数	平米単価（目安）	10年あたりの塗替え回数	トータルコスパ
アクリル	5〜7年	1,000〜1,300円	約2回	△（安いが短命）
ウレタン	7〜10年	1,500〜2,000円	約1.5回	△（やや劣化しやすい）
シリコン	10〜13年	2,000〜3,000円	約1回	◎（バランス◎）
フッ素	15〜20年	3,500〜5,000円	0.5〜0.7回	○（長寿命で結果的に安い）
無機	20〜25年	4,000〜6,000円	約0.5回	◎（長期で最安も）

※価格・耐久年数はあくまで目安であり、製品や業者、施工条件により変動します。

【コスパ重視のためのポイント解説】

● アクリル・ウレタンは初期費用が安く、短期の塗り替え向き
短期的に費用を抑えたい場合にはアリですが、結果的には塗り直し回数が増えて割高になります。

● シリコンは王道。コスパ最重視ならこの選択肢が有力
バランスの良さから、現在もっとも多くの住宅で使われています。失敗しにくい選択です。

● フッ素・無機は初期費用が高いが、耐用年数が圧倒的に長い
長期間塗り替えの必要がなく、美観も保たれるため、トータルコストでは逆に安くなるケースも。

このように、塗料の選択は「安さ」だけでなく「長期視点」で考えることが大切です。

次の章では、特に人気の高い「シリコン・フッ素・無機塗料」の3種類をピックアップし、それぞれの違いをさらに詳しく比較していきます。

よく選ばれる塗料3種（シリコン・フッ素・無機）を徹底比較

塗装業者が提案する中でも特に人気が高く、家庭の外壁によく使われているのが、シリコン塗料・フッ素塗料・無機塗料の3種類です。ここではそれぞれのメリット・デメリットを掘り下げて比較していきます。

1. シリコン塗料

特徴：

• 耐久年数10〜13年
• コストと性能のバランスが良く、最もポピュラーな選択
• カビ・汚れに強く、低汚染性もある

メリット：

• コスパに優れている
• 種類が豊富で選択肢が多い
• 住宅用として信頼性が高い

デメリット：

• 製品ごとに品質差が大きく、安価すぎるものは注意
• 超長期的な耐久性はやや劣る

おすすめの人：
10年に1度の塗り替えを前提に、バランスよくコスパを重視したい方

とりあえず無難にまとめたいならシリコン。でも“シリコンなら全部同じ”ではないので、ちゃんと中身もチェック！

2. フッ素塗料

特徴：

• 耐久年数15〜20年
• 高い耐候性と汚れにくさが魅力
• 高層ビルや商業施設などにも使用されるハイスペック塗料

メリット：

• 紫外線や雨に強く、色あせしにくい
• メンテナンスの手間が減る
• 長く使うことで結果的に安くなる

デメリット：

• 初期費用がやや高め
• 硬めの塗膜で割れやすい素材には向かないことも

おすすめの人：
多少予算に余裕があり、頻繁な塗り替えを避けたい方

長持ちさせたいならフッ素。ただ、施工の丁寧さ次第で“高くても長持ちしない”こともあるので、業者の腕前込みで選ぶのが大事。

3. 無機塗料

特徴：

• 耐久年数20〜25年
• 無機物（石・ガラス成分など）を主成分とするため劣化しにくい
• 汚れ・紫外線・カビにも圧倒的に強い

メリット：

• 最長クラスの耐久性
• 不燃性や高耐候性があり、建物を強力に保護
• 美観も長期間キープできる

デメリット：

• 初期費用が高額
• 塗膜が硬く、施工技術に差が出やすい

おすすめの人：
初期費用よりも「一度の工事で長く持たせたい」「家を長持ちさせたい」という方

性能はトップクラス。ただし、コスパと施工技術に見合うかが鍵。

この3種類はいずれも性能に優れており、安かろう悪かろうにはなりにくい選択肢です。
しかし、家の立地・築年数・予算・将来設計によって「ベストな塗料」は変わってきます。

次のセクションでは、「自宅にはどの塗料が合うのか？」を判断するためのポイントをご紹介していきます。

自宅に合う塗料の選び方｜判断ポイント5つ

外壁塗装を成功させるためには、「どの塗料が良いか？」ではなく、「自宅に合った塗料はどれか？」という視点が欠かせません。
同じ塗料でも、家の立地や築年数、ライフスタイルによって、向き不向きが大きく変わってくるからです。

ここでは、塗料を選ぶ際に考慮すべき5つの判断ポイントをご紹介します。

1. 築年数・外壁の傷み具合

まず確認したいのが、築年数と外壁の現在の状態です。

• 築10年未満で劣化が少ない場合：シリコン系などバランスの良い塗料でも十分対応可能。
• 築15年以上でクラックやチョーキング（粉ふき）が見られる場合：フッ素や無機塗料など、耐久性重視の塗料を検討。

また、外壁材が窯業系サイディングなのかモルタルなのかでも、下地処理や塗料の相性が変わるため、素材に合った塗料提案ができる業者選びも重要です。

2. 屋根の種類と直射日光の影響

屋根や外壁が強い日差しを受けやすい南向き・西向きの場合は、紫外線に強い塗料がおすすめです。
たとえば、

• 遮熱機能つきのフッ素塗料や無機塗料：紫外線による退色を抑え、夏場の室温上昇も軽減
• 遮熱塗料（白系カラー）：表面温度の上昇を抑え、エアコン代の節約に貢献

とくに埼玉や千葉などの暑さが厳しい地域では、遮熱性能を持つ塗料が喜ばれる傾向にあります。

3. 周辺環境（湿気・排気ガス・汚れ）

• 交通量が多い道路沿い：汚れが付きにくい低汚染型塗料が効果的。
• 湿気が多い地域・日当たりが悪い北側の壁：防カビ・防藻性に優れた塗料を選ぶと長持ちします。
• 海沿いエリア：塩害に強い塗料を検討すべきです。

環境に応じた塗料を選ぶことで、見た目の美しさも耐久性も長期間キープできます。

4. 今後のライフプラン・住み替えの予定

「あとどのくらいこの家に住む予定なのか？」という将来設計も、塗料選びに直結します。

• 10年以内に住み替える予定がある方：コストを抑えたシリコン塗料でもOK
• 20年以上住み続けたい方：初期費用は高くても、無機やフッ素でメンテナンス回数を減らすのが得策

住まいにどれだけ投資するかを冷静に見極め、費用対効果を重視した選択がポイントになります。

5. 予算とのバランス

最後は現実的な視点として、予算とのバランスをどう取るかです。

• 同じシリコン塗料でも「グレード差」や「メーカーの違い」によって価格はピンキリ
• 業者によって仕入れルートや利益率が異なり、同じ塗料でも数万円の差が出ることも

見積書に塗料の「商品名・メーカー・グレード」が明記されているかを確認し、相見積もりで内容を比較することが失敗しないコツです。

塗料は“安かろう悪かろう”になりがちな項目です。
逆に言えば、自宅の条件や希望に合わせてしっかり選べば、費用対効果の高い理想の塗装が実現可能です。

次のセクションでは、業者と打ち合わせをする際に役立つ「塗料選びのチェックリスト」をご紹介します。

塗料選びのチェックリスト｜見積もり前に要確認！

いざ業者に見積もりを依頼するとき、「何を聞けばいいのかわからない」という方も多いはずです。
ここでは、失敗しない塗料選びのために確認すべきポイントをチェックリストにまとめました。

【見積もり時のチェックリスト】

□ 提案された塗料の種類（シリコン・フッ素・無機など）は？
□ 各塗料の耐久年数と価格を比較できる資料があるか？
□ 塗料メーカーの名前と商品名は明確に書かれているか？
□ 希望予算に応じた複数の塗料プランを出してくれるか？
□ 下塗り・中塗り・上塗りの各工程に使う塗料は何か？
□ 保証内容に「塗膜保証」が含まれているか？
□ 塗料の性能説明（遮熱・防汚など）は納得できるか？
□ 実際にその塗料を使った施工事例が見られるか？

これらの質問を業者にぶつけてみることで、提案の信頼性や誠実さが見えてきます。
とくに「商品名を濁す」「安い塗料しか提案しない」といった対応をする業者には要注意です。

逆に、しっかりとした業者は、家の状態や希望に合わせて複数プランを提示し、塗料の特性も丁寧に説明してくれます。

塗料選びで悩んだときは、焦らずに複数業者から見積もりを取り、比較検討することが最も確実です。

次のセクションでは、実際に複数見積もりを比較して塗料を選んだ方の体験談や、よくある質問についてまとめます。リアルな声を参考にしながら、自分に合った塗料選びのヒントを見つけてください。

実例＆よくある質問｜塗料選びで後悔しないために

塗料選びに悩む方は多く、実際に「選んでよかった！」という声もあれば、「もっと調べておけば…」と後悔するケースもあります。ここでは、実際の施工事例に基づいた体験談と、よくある質問を紹介します。

【体験談①｜シリコン塗料を選んだケース（築12年・埼玉県）】

最初は価格重視でアクリル塗料を考えていましたが、業者さんのアドバイスでシリコンに。
10年程度もてば十分と考えていましたが、今7年目でもツヤがしっかり残っていて満足しています。価格も予算内に収まり、工事もスムーズでした。

【体験談②｜無機塗料を選んだケース（築20年・千葉県）】

家をあと20年以上使いたくて、無機塗料を思い切って選択。
費用は高めでしたが、汚れがつきにくく、美観も長持ちしていて満足しています。
業者がしっかりした会社だったのも安心材料でした。

【よくある質問】

無機塗料って本当に20年以上もつの？

環境や施工状態にもよりますが、正しく塗れば20年近く性能を維持することは可能です。ただし、メンテナンスフリーではなく、定期点検は必要です。

塗料のランクで保証内容は変わりますか？

はい。一般的に、耐久性の高い塗料ほど保証期間も長く設定される傾向があります。保証内容も含めてしっかり確認しましょう。

断熱塗料や遮熱塗料はどうですか？

夏場の熱対策や省エネ効果を期待できるので、屋根や南向きの外壁に有効です。ただし、効果には限界があるため、過度な期待はNGです。

経験者の声や現場の実例は、判断材料としてとても役立ちます。
次のまとめでは、この記事の要点を振り返りながら、自宅に最適な塗料を選ぶための行動ステップをご案内します。

まとめ｜塗料選びは“価格”より“目的と相性”

外壁塗装の成否は、「どの塗料を選ぶか」でほぼ決まる――
そう言っても過言ではありません。

シリコン、フッ素、無機など、塗料にはそれぞれ特徴がありますが、一番大切なのは“あなたの家に合っているかどうか”です。

価格だけで選んでしまうと、数年で塗り直しが必要になり、結果的にコストがかさんでしまうことも。
逆に、家の立地や将来の住まい方に合わせて塗料を選べば、見た目も長持ちし、費用対効果の高いメンテナンスになります。

とくに無機塗料などの高グレード塗料は、確かに初期費用は高めですが、20年近く再塗装不要という安心感は大きな魅力。
「子どもが独立するまでは住み続けたい」「これが最後の塗り替えにしたい」という方には、間違いなく候補に入るでしょう。

また、塗料の選び方ひとつで「いい業者かどうか」も見抜けます。
曖昧な説明や、商品名を伏せた見積もりを出すような業者には注意が必要です。
納得のいく塗装をしたいなら、信頼できる複数の業者から提案を受け、比較検討することが何より重要です。

【迷ったときは“塗装のプロ”に相談してみよう】

「どの塗料がいいのか、自分で決めきれない…」
「業者の説明が本当かどうか不安…」

そんなときは、一回の調査で複数の見積もりを比べられる「くらべる職人」に無料で相談してみるのがおすすめです。

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納得のいく外壁塗装をするためにも、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたの家にぴったりの塗料と、信頼できる業者がきっと見つかります。